大田市内ほとんどの小学生は、3年生になると、大森町にある熊谷家住宅でかまど体験を行います。
今回は、小学生の子どもたちが、薪割り~かまどに火入れし、美味しいご飯までたどり着いた様子をお届けします!
かまど体験開催の場所、熊谷家とは
熊谷家は重要文化財としては珍しく、実際に火を使うことができる全国的にも珍しい住宅です。
1,800年に火事で焼失しましたが、翌年に再建。そこから220年以上経っています。
平成の最初までは、なんと!普通に人が住んでいたそうです!!
平成10年に国の重要文化財に認定。
その後大田市に委譲され、5年をかけて調査と修復を行いました。
そして現在のように当時の様子を体感できる施設となり、多くの観光客らが見学しています。
かまど体験の様子
この日は仁摩小学校の3年生15人が体験にやってきました。
指導するのは熊谷家住宅の職員さん。かまどのプロです😊
枡で米を計り、研いで水加減をします。研いだ水は洗い物に使うため、溜めておきます。次に薪割り。
鉈の使い方を教わります。普段はなかなか使わない刃物ですが重いといいつつみんな器用に割っていきました。
そしていよいよかまどの火入れ。
うまく火をつけるには薪の積み方が重要で、どんどん入れるのではなく中で空気の通り道ができるように組んでいきます。
マッチは初めてという児童もいて火が回るまでは一苦労。
点いてからはだんだん煙が充満する台所。
煙が目にしみるためスタッフも時々外へ避難していました。
現代だとお米を炊く時の水加減も目盛りがあるし、スイッチを押せば点火。
自動で火加減も出来るのでこんな手間はかかりません。
子どもたちは、ご飯の担当の班と味噌汁の担当の班に分かれて火加減を見たり、野菜を切ったり。
家でもお手伝いをしているという子はなかなかの腕前でした。
そしてお茶碗と汁椀、箸置きなどを準備。
だんだん台所には美味しそうな香りが漂ってきます!ようやく出来上がって配膳しました。
炊き立てのご飯を頂きました!
「いただきます!」の後はまるで競争のように、ご飯も味噌汁もお代わりしていました😊
かまど炊きのご飯は少し焦げ付いてしまいましたが、3回お代わりはザラで、具沢山の味噌汁もあっという間に完食していました。
この日はご飯一升八合、味噌汁は45杯分あったそうですが、引率の先生二人、発掘スタッフがいたにしても完食はすごい!
発掘スタッフもいただきました!
ご飯は炊き上がると同時にすぐお櫃に移されていましたが、適度に水分が調整されていると感じて美味しく頂きました。かまど炊きのご飯は格別!
お味噌汁も具沢山でちゃんと煮干しでだしをとってあり、野菜の甘味を引き立てていて美味しかったです。
食後は、みんなで片づけ~焦げたかまどの洗い方も体験
食べた後はみんなで片付け。食器を洗って机を拭きました。
そして、ご飯を炊いたかまどは、焦げたところを水でふやかして削り取っていました。灰をクレンザーとして利用しています。
ご飯粒は裏庭の畑に撒いていきます。(これは畑の肥料として使われ循環されるという仕組み)
昔ながらの台所は単に食べるための調理実習とは違って、昔の暮らしを体験し、道具の使い方や、ごみにならないような始末の仕方などの昔の暮らしを通して現在の生活を考える良い機会ではないかなと思いました。
この日は児童の一人が風邪で欠席だったそうです。女の子が「○○ちゃん可愛そう!これ食べたらきっと元気になるのに」と話してくれました。
それだけ美味しくて楽しかったんだなと思える体験でした。
かまど体験について
この体験は学校単位だけではなく、申し込めば誰でも体験することができますよ!!
熊谷家住宅の台所でかまどを使って、ご飯一汁一菜を作ります。
時間:3~4 時間(9 : 30~15 : 30)
体験料:3,000円(食材費込み) 館内見学料込み
定員:5名〜20名まで(要相談)
※エプロン、頭巾、替え靴下をご用意ください。
このほか野草茶つくり体験や、風呂敷体験などもあります。
歴史ある商家で昔ながらの生活を体験してみてはいかがですか?
国指定重要文化遺産 熊谷家住宅について
国指定重要文化遺産 熊谷家住宅
住所:島根県大田市大森町ハ63番地
TEL:0854-89-9003
開館時間:9:30~17:00
※開館時間を変更する場合があります。
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)/年末年始(12月29日~翌年1月3日)
※臨時休館する場合があります
入場料:高校生以上600円/小・中学生200円
団体でのご利用など詳しくは、熊谷家HPをご覧ください。
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