地域の竹を利用!竹細工バスケットやざるの製作現場へ取材!温泉津町井田よろずカンパニー

井田よろずカンパニー取材

島根県大田市温泉津町で竹細工製作をしている井田よろずカンパニーさんの製作の様子を取材しに伺いました!
井田よろずカンパニーでは、毎週月曜日、旧井田小学校(島根県大田市温泉津町)の体育館で、地元の淡竹という竹を使って背負い籠やざる、バスケット、コースターなどを作っています。
主に、50~80代までのメンバーが取り組んでいます。

井田よろずカンパニー

いつから活動しているのか?

始まったのは約3年前、多伎文化伝習館から講師を招いて何回か製作するうち、もともと器用で製作しておられた方が技術を習得しました。現在はその方が中心となり、メンバーに指導しています。

活動の目的は『昔ながらの技術を継承すること』

ただ、竹細工やわら製品だけを作るのではなく、昔ながらの技術を継承するということも目的のひとつです。
技術を持っている方が高齢になっているため、お元気なうちに教えてもらおうと毎週集まっています。

実際に作っている様子を見せてもらいました!

井田よろずカンパニー

今回は『ひご』と呼ばれる薄く加工した竹を使って、網目が六角形になる編み方を習っていました。
中心を正しく組めることができると持ち上げても、バラバラになりません。ですが、この作業がなかなか難しいとのこと。

井田よろずカンパニー
製作過程のひとつひとつを丁寧に進めていきます。途中でひごが少しでも不揃いがある場合、また編んだところを外して、カンナをかけて厚みや幅を再調整して再び編んでいきます。ひごが不揃いだと、きれいな形の作品にすることが出来ず、最後まで編むことも難しいそうです。

井田よろずカンパニー

井田よろずカンパニー

 

井田よろずカンパニー

一番外側の緑色のところは色の美しさと丈夫さを活かしてベテランのメンバーさんが背負い籠に取り掛かっていました。

材料で使う『ひご』をつくるのはとっても大変

次に、竹のひごを作るところを見せてもらいました。

『ひご』の作り方

①竹を山から切る
淡竹(はちく)という種類の竹を使用します。生えてくる場所もだいたいが決まっているときもあれば、突然枯れてしまう年もあるそうで材料集めも大変です。
竹自体は山のあちこちに、時には邪魔者扱いされるほど生えていますが、細工に使われる種類の竹は限られています。
収穫の時期の見極めもあり、若い竹の場合は虫が湧いてしまい使い物にならなくなる、とも言われていました。

②竹を縦半分にする

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③細く薄く割いていく

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<参考>実際に竹細工を作る際はこのくらい細く薄い竹が必要になります。

ここも難しい作業の一つ。始めに厚みを3分の1にするのですが、簡単にまっすぐには割けないらしく慎重に刃を当てることが必要になります。
材料によっては、厚さ0.3ミリ、幅4ミリ位まで薄く細く加工します。

工程がとにかく細かくて道具の扱いも難しそうに見えました。
毎日修行していたころの職人さんの間では、「竹切り3年、ひご3年」くらいかかる取得まで時間のかかる作業とのこと。「自分たちはまだまだ修行が必要ですよ」とメンバーの方がおっしゃっていました。

農作業で使用される背負い籠など完成品はこちら

井田よろずカンパニー

体育館は製作専用のスペースになっていて一角には作品が並んでいました。
いちばん大きいのは農作業で使われていた背負い籠、この地域では「負い子」と呼ばれています。
その他には、梅干を広げて干すような大きなざる、籠や鍋敷き、コースター、熊手なども並んでいました。

井田よろずカンパニー
どのくらいの期間で出来上がりますか?と伺ったところ、ひごの状態から編むだけなら大きいものなら2~3日、ワークショップでコースターや鍋敷きならその日のうちに出来るそうです。材料となる『ひご』を作るまでは期間に入っていないため、山から竹を切り出して、乾燥させて、ひごに加工して、編んで、、と考えると結構な日数がかかるのではないかと思います。

オーダー製作も可能!

通常は、メンバー各自で作りたいもの、販売したいものをつくっています。「こんなかごが欲しい!」など、要望があればオーダーでの製作も可能だそうです。

作品の一部を紹介

かご、ざる、梅干しを干すときに使用するものなど色々ありました。

井田よろずカンパニー

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オンラインでも販売中

井田よろずカンパニー

人気の竹細工バスケットは、オンラインショップでも販売しています。

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おかえりなさい故郷へ 島根県大田市にあるロード銀山道の駅ストア。おおだブランド認定商品をはじめ、大田ならではの商品を全国にお届け。

実際に製作の様子を取材してみて

井田よろずカンパニー

大変な作業が多く見える現場でしたが、作業に取り組む皆さんは楽しそうでした。
昔ながらの竹細工をどこかで見つければ、思わす足が止まって見入ってしまう方もいらっしゃるそうです。皆さんそのくらい熱心に活動されています。
追求すればするほど、昔の人の知恵や技術は素晴らしいなあと思いました。
いろんな編み方があるのを実際に見て、「誰が最初にこの形考えたんだろう、すごいなあ」と感心してしましました。
今はプラスチックの荷造りテープの籠も流行っていますが、竹製はお手入れして大切に使うことで長く愛用できるもの。壊れても修理をすれば一生モノです!
気に入ったものを長く使いたい!と考える若い方も増えてきているようで、製作した作品はすぐに完売するほど人気がでてきています。
そして、竹の利用は、環境保護の観点からも良いですよね!これからの新しい時代にもこの技術を継承していって欲しいと感じました。

井田よろずカンパニーについて

井田よろずカンパニー

地域の竹を有効活用・竹細工の技術継承を目的とした任意団体。毎週月曜日に竹細工教室を開催し、完成品は道の駅などで販売してます。ワークショップも受け付けています。
メンバーも募集中!近隣でなくても興味があればいつでも大歓迎!!

活動場所:旧井田小学校体育館(現:井田まちづくりセンター)
住所:島根県大田市温泉津町井田ロ255
事務局 殿山 090-9678-7971
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