島根県大田市五十猛町で毎年1月11~15日に行われる国の重要無形民俗文化財『グロ』に行ってきました。
韓神新羅神社の下で作られる仮屋に歳徳神を迎え、一年の豊漁を祈願します。
『グロ』を立てる様子
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約20メートルの2本の竹を束ねたセンボクサンと呼ばれる柱を中心に仮屋がたてられます。
直径6メートル、高さは2メートル。竹の葉の先には紙垂や吹き流しで飾られ、今年は青空によく映えていました。
今は一つしかありませんが、かつては町内の浜には複数作られていたそうです。
仮屋自体は各地にありますが中に入れるような小屋は他にはありません。
作業は主に地元の漁師さんたちが行います。
周りに杭を打ち笹竹を組んで壁を作り、屋根の骨組みにはゴザを葺いて完成。
室内のセンボクサンにホンダワラという海藻をお供えとして取り付けます。
中にも入れる!!
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『グロ』の中には3つの囲炉裏が作られ、地域住民らが仮屋に集まります。
ここで焼いたものを食べると元気に過ごせると言われていて焼き網や火箸をそれぞれで持ち込み、焼いた餅をここでは黒砂糖で食べます。
他にもスルメ、ウインナーやマシュマロなどを持ち込んで、この時期だけの空間を煙に燻されながら過ごします。
解体の様子
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仮屋は15日の朝に解体され、持ち寄った正月飾りとともに焼かれますがセンボクサンは船材として使われます。
この日も早速節などを削るなどの加工をしているところが見られました。
風の様子を見ながら最後の15日の朝には解体され、しめ縄や門松など正月飾りとともに焼き払います。
今年は風が強めで一か所で燃やすと火柱が高くなり危険なため、分散して燃やされました。
(もちろん消防署には連絡済み。消防団の車両も待機していました!)
年々漁師さんの数も減ってきていますがこの日はみんなで協力して行事を大切に受け継いでいます。
町外の人も参加できます。
正月飾りなどを持って行き、グロの中の囲炉裏にいる人に声をかけてみてください。