10周年を迎えた「おおだ自然エネルギーパーク」の講演会に参加してきました!
総合地球環境学研究所所長の山極 壽一氏を講師に迎え、演題は
「人類は、何を失いつつあるのか」
会場の大田市民センターの集会室には市内外から約120人が集まりました。
講師 山極壽一氏について
山極先生は総合地球環境学研究所の所長を務める人類進化論専攻の学者さんです。
野生のニホンザルやゴリラの社会生態学的研究や、動物の言語や文化に関する著書やテレビ出演など、多くの活動や成果を紹介されています。今回定員は100人でしたが申し込みはそれよりもかなり多かったそうです。
アフリカでゴリラと一緒に暮らした経験を通して、人間の言葉や社会について語られました。
人類は何を失いつつあるのか
AIの進化が早まっているからではなく、人間の劣化が早まっていて危ない。
今、我々が考えなければならないことは、命と命、バクテリアウイルスも含めて繋がりを持っていること。正しく認識した上に新たな人間の暮らしをかえなければいけない。
そう言われたのを聞いて、ドキリとしたのは発掘スタッフだけではないと思います。
技術の進歩は何をもたらしているのでしょう。そして何かが失われてきているのでしょうか。
サルと類人猿の違い
ゴリラの子育てのお話がとても興味深く、今はやりの(?)育メンなんてゴリラの世界では本当に当たり前で、集団のあり方も人間とそんなに変わらない。
むしろシンプルでわかりやすいと思ってしまいました。
あくまで個人の感想ですが。
過疎はチャンス
講演の中では、類人猿の集団を通して社会活動に関しても考えさせられることもありました。
はっとしたのは「過疎はチャンス」という言葉です。
過疎は社会問題として語られることが多いのですが、ここでは江戸時代の消費の形や様々な社会活動を通して希望まではいかなくとも気持ちが軽くなるような気がしました。
価値観を変えるということを言われたのですがあまりにも情報が多く、価値観を植え付けられるような報道などで自分の中での固定観念が変わっていきました。
先生が伝えたいことを全部理解できることは難しいと思いますが、自分の中の価値観を見直していけることはいいなと思いました。
参加の方もそれぞれの感想をお持ちだと思います。
テーマは壮大でも身近なものであり、すぐに結果が出るものではありませんが色々な考え方に出会えたいい機会でした。
分散会
午後からは参加者による分散会でした。
講演会で心に残ったこと、人類社会の理想の姿、理想の姿に近づけるためにあなたが出来ることなどがテーマです。
講演会の感想やほかのテーマに沿った話は、ほぼ初対面にもかかわらず話が弾み、時間が足りない!と思ってしまいました。
すぐに答えの出るものはどれもありませんでしたが、話すことで人それぞれの考え方などもまず知ることが大事という想いは共通していたと思いました。
おおだ自然エネルギーパークについて
大田市では、この環境や資源を次の世代へ継承していくため、また、温室効果ガスの排出削減等を推進するため、具体的な方向性や施策を示す大田市環境 総合計画を策定。
おおだ自然エネルギーパークではこれまでもエコについてのさまざまな体験を通じて、自然エネルギーや省エネ生活について楽しく学べるイベントを行ってきました。
今回10周年を記念してこの講演会を開催。会場には高校生の姿もありました。
大田では様々な団体がそれぞれの活動をされていますが、それを知る機会はなかなかありません。大田発掘ではこれからも活動を紹介していきます。
主催:おおだ自然エネルギーパーク実行委員会
共催:NPO法人緑と水の連絡会議、大田市地球温暖化対策地域協議会、
(公財)しまね自然と環境財団、国立三瓶青少年交流の家
後援:大田市、株式会社山陰合同銀行、縁パワーしまね
事務局:おおだ未来づくり会議 大田市大田町大田イ967-1