4月の晴れた日、温泉津の港に近づくと磯の良い香り!
地域の方がわかめを天日干しされていました。
この干し方は”山陰両県でしか見られない”ということで実はとっても貴重。
板わかめという珍しい形状になり、贈り物にも喜ばれるとのこと。
温泉津町の天然わかめをご紹介します。
温泉津の「天然 ゆのつわかめ」とは?
島根県温泉津町は効能の高い温泉や、古民家を改修したおしゃれな飲食店が並ぶノスタルジックな街。
また、世界遺産に登録されている石見銀山で採掘された銀の積出港として繁栄した深い歴史もあります。
陽射しがあたたかくなってくる4月初旬
温泉津湾の奥 温泉街の入り口に近い浜には、わかめ干し専用の網が広がっていました。
ほかの地域では吊るして干すところが多いようですが、温泉津では専用の網の上に海苔のように一枚一枚丁寧に広げて干しています。
干した天然わかめを板状にするので、「板わかめ」と呼ばれることも。
旅行者らしい人は珍しいようで、何人かがスマートフォンで撮影していました。
国内産のわかめは97%が養殖ですが、温泉津わかめは岩場に生える「天然」のもの!
春先になると夜明けとともに地元漁師さんが、小型の船で周辺の岩場に生えているわかめを刈りに行きます。
ポイントは洗濯機!
船で獲ってきたわかめは、浜で水洗いをします。
使うのは、わかめ専用の洗濯機。
しっかり洗うことで、ほどよい塩加減となるのです。
茎や根株などの厚いところを取り除き、水気を絞って干していきます。
わかめをきれいに干していくのは地元のおばちゃんたち。
専用の網に広げて干すので早く乾きます。
現在は立ったまま腰の高さに設置してある網に広げて干していますが
昔は砂浜に敷いた筵(むしろ)に干していたそうです。
(働き方改革✨腰に嬉しいですね💛)
天気や風などの条件がそろっていれば一日でしっかり乾燥。
もう少し、というときには乾燥機にかけることもあるそうですが、出来る限り自然乾燥にしたいそう。
丁寧に洗って干していく作業は、7時前から干し始め11時くらいまでかかるそうです。
しっかり乾いたのを確認すると、専用の定規をあてて包丁で切って袋詰めしたら作業終了!
「パリパリのわかめ」にやみつき!
《ここで嬉しい試食タイム》
端っこを食べさせてもらいました。
ぱりぱりしてちょうどいい塩加減!いくらでも食べられる!!
この板わかめは水で戻したりせずに、あぶってパリパリにして食べるのが温泉津流。
(レンチンでもOK)
そのまま食べても磯の香りがして美味しいし、ごはんにかけても美味しい。
そのままで食べ過ぎるとおなかの中で戻っておなか一杯になってしまうので要注意。
とはいえ食べだすと止まりません。
地元の居酒屋さんではピザにのって出てきますよ~!
温泉津の飲食店では、他にもわかめサラダやみそ汁に入っていたり。
この時期はわかめグルメが楽しめます。
貴重なわかめになっています!
昔はもっと多くの漁師さんがわかめを干していたそうですが、今は数えるほどになったそう。
取材したのは4月初め。
今シーズン初のわかめ干しだったそうですが、例年は3月中旬から始まります。
今年は天候不順が続きなかなかわかめ刈りに出られなかったそうです。
天気が良くても波が高いと船を出すことは出来ず、天気や風など様々な条件がそろわないと船を出したり作業ができないそうです。
この貴重な、天然わかめ干しに出会えたらラッキーなのかもしれないですね。
「天然 ゆのつわかめ」の場所について
住所:島根県大田市温泉津町