大田市には世界遺産石見銀山だけでなく、国立公園や日本遺産もあるのはご存知でしょうか?
国立公園・・・三瓶山
日本遺産・・・三瓶山、三瓶そば、福光石の石切場、琴ヶ浜、鬼村の鬼岩、物部神社など
今回は、日本遺産の構成文化財に認定されている「三瓶そば」の歴史や美味しさについて調べてみました。
三瓶そばとは
江戸時代からその味を守ってきた「三瓶そば」。
一時期は農家の高齢化で廃れかけましたが、「三瓶そば振興協議会」が結成され、独特の地形と気候で育つ地元の品種を守ろうと活動しています。
毎年新そばを楽しみにしているファンは多く、11月下旬には協議会が主催する「新そばまつり」が開催され、県外からも多くの人がその味を求めて大田市にやってきます。
「三瓶そば」は、三瓶山麓の大田市三瓶町および山口町で古くから栽培されている在来種のそばで、実の芯部分を大部分使い、淡い色味と香りの高さ、喉越しの良さが特徴です。
生産地の大田市三瓶町と山口町は、三瓶山の標⾼約500mに位置する地域。
実は活火山である三瓶山の火山灰質の黒ボクの土壌と、昼と夜の寒暖差が大きい気候がそばの生産に適しているので、この地域では、江戸時代からそばが栽培されてきました。
この地域は周りを山に囲まれているので、他品種を生産している地域とかなり離れてい
るため交配しにくい地形です。さらに畑の中心に近い場所で種取りをするなどの配慮をしているため品種固有の特性は守られています。
2020年3月、農林水産省より地理的表示(GI)保護制度に登録されました。この制度は、各地域にある産品のうち、伝統的な生産方法や生産地の特性により、高い品質と評価を得ている産品で、品質や社会的評価などの特性が産地と結びついている産品の名称を知的財産として保護する制度です。
この制度への登録のハードルは高く、「三瓶そば振興協議会」は登録に向けた会議や準備を何度も重ね、2018年3月に申請をおこない、ようやく登録にこぎ着けることができました。三瓶の在来種としての希少性と粘りの良さ、味などが全国各地の製粉会社や他府県のこだわりの蕎麦屋から高く評価されています。
三瓶そばの歴史
「三瓶そば」の生産は、1773年(安永2年)頃より朝鮮人参の栽培と同じ時期に栽培が始まったそうです。1877年(明治10年)に三瓶温泉に入湯浴場が開設されると、次第にその美味しさが県内外に広がりました。
戦後食糧難の頃には、そば畑が切り開かれ、生産量が増加しましたが、農家の高齢化等にともないその生産量は減少し、自家消費程度となりました。
1998年頃から、そば愛好家が「三瓶そば」の復活を目指して生産の拡大に取り組み始めたことをきっかけに、「三瓶そば振興協議会」が組織され、現在は生産者、栽培面積はともに増加しました。
高い品質維持への取り組みも評価され、三瓶地域のそば屋だけでなく、県内外の製粉業者やそば屋にも流通が拡大し、購入等の問い合わせも多く寄せられています。
湯浅英行会長は、「認められた三瓶そばの伝統と特性を受け継ぎ、生産拡大に努めたい」と決意を新たにしています。
大田市内で「三瓶そば」を食べられる場所はこちら
三瓶そば振興協議会のお店はこちら
■手打ちそば処 沙羅
住所:大田市三瓶町志学2048-1
TEL:0854-83-2427
■蕎麦工房 木の香
住所:大田市三瓶町志学ロ347-1
TEL:0854-83-2813
■国民宿舎 さんべ荘
住所:大田市三瓶町志学2072-1
TEL:0854-83-2011
■はないかだ三瓶店・大田店
<三瓶店>
住所:大田市三瓶町多根1121‐8(三瓶自然館内)
三瓶店は4~11月の営業になります。
<大田店>
住所:大田市大田町大田ハ174-1
TEL:090-1010-8607
■そばカフェ湯元
住所:大田市三瓶町志学ロ1730-11
TEL:0854-83-2215
■福寿庵
住所:大田市大田町大田ハ125-1
TEL:0854-84-7088
三瓶そばマップもこちらからご覧いただけます。
また、道の駅ロード銀山内レストランでも、割子そば、大田名物の箱寿司とセットになった「ここだけ定食」、「そば・穴子寿司定食」などいろいろなメニューが楽しめます。
ぜひご利用ください。
■道の駅ロード銀山
住所:大田市久手町刺鹿1945-1
TEL:0854-82-1991
お取り寄せもできます!
レストランの大田名物御膳にも使用しているロード銀山特製の三瓶そば。
ご家庭で地元の香り高いそばの味を楽しむことができます。