祖父の教えを胸に、島根県大田市で米とキャベツを育てる内田農園。自然の魅力と苦労、さらに新たな農業への可能性について想いを語っていただきました。
現在の取り組みと農作物について
大田市久手町で※水稲(すいとう)、冬はキャベツを中心に栽培されている内田農園さん。
3歳下の弟さんと兄弟で運営されています。兄の内田洋平さんにお話を伺いました。
※圃場(ほじょう)は久手町の波根湖だった場所です。昭和初期の干拓により現在の姿となりました。
内田農園は久手町を中心に農業を営んでいます。
今年1月13日に地元若手農家が結成した「八十八(はちはち)」が中心となって、三瓶町小屋原のカフェ「&people」で開催したファーマーズマーケットに参加。会場は兄弟が並んでキャベツ、ブロッコリーを販売。店の中は多くの来場者でいっぱいになっていました。
現在(4月)は田んぼの準備の時期だそうです。
※圃場(ほじょう):農作物を栽培するための場所、つまり田や畑、果樹園、牧草地など
憧れの「百姓」
農業を教えてくれたのは10年前に亡くなったお祖父さんでした。
小さいころから農業をしているお祖父さんの作業を手伝っていたという内田さん。
邇摩高校の農業コースから農大に進み、卒業後はお祖父さんの手伝いを始め、徐々に仕事を引き継ぎ、そのまま家業を受け継いだそうです。
お祖父さんは「百姓は100の技術を持っとらんと成り立たない」と話されていたそうです。
単に栽培だけでなく、作業では土木技術や営業や販売などもやっていかないといけない。
お祖父さんは工務店に勤務されており、現在作業に使われている建物なども建てられたとのことです。
内田さんは「本当に理にかなっているというか、やっぱそれができて「百姓屋」さんだなと思います」と話されていました。
収穫の様子
昨年は暑さにかなり影響されたそうですが、豪雨も。
ここ何年かの夏の暑さには農作物もですが、畑周辺は日光を遮るものが無く炎天下での作業も過酷だったそうです。
作業場所から近い畑に案内してもらって、キャベツの収穫の様子を見せてもらいました。
畑一面にキャベツがまっすぐに植えられていて、収穫されるのを順番待ちしているように見えました。
着いて一言「大きくなってる!」
少し前は小さめで「もう収穫も終わりくらいだな」と思っていたものが、一回り大きかったそうです。
畑の様子を丁寧に見ていても、自然が相手だと予測もつかないことも多いのでしょうね。
オペレーターとして無人ヘリコプターを扱い防除を行う内田さん。市内の農家さんからも依頼があるそうですが年々減っているとのこと。
収穫までは天候もですが鳥獣被害も決して少なくありません。※ヌートリアやイノシシなどが出てくるそうです。そして空からも油断できず、キャベツはヒヨドリが大敵となります。つついたりすると傷がついたりするので困るそうです。
嬉しいこと
「大変な思いや、つらい思いをした分頑張って、すごくいいものが出来た時の達成感がたまらんですね」と内田さん。
機械を使うときの試行錯誤や天候への対策の分、
いいものが出来たという達成感があると言われていました。
内田さんの笑顔から、仕事に対するプライドを感じました。
ワークライフバランス
自由だからこそ怠けたらその分あとで大変な思いをするのも自分。
自然相手の仕事なので出勤時間など、すべて自分たちの判断で決めているそうです。
朝、兄弟でミーティングをして一日の流れを確認。
同じ作業を二人でしていた時期もありましたが、一緒に仕事をするようになって10年。今は扱いに慣れている自分が機械作業をし、他の作業を弟がという感じでその時によって役割分担して、基本的には別々の作業をされているそうです。
小さいときから農業に慣れ親しんできた内田さん。
若手農業者の仲間と一緒に取り組みが始まっています。
野菜が高い!と巷では言われていますが、お話を聞いたり畑を見せてもらって手間などを考えると致し方ないのかなと思ってしまいます。
農家さんがいなければ私たちもごはん食べられませんから。
「農業は可能性しかないと僕は思っているので。やり方次第で【儲かる・稼げる】お仕事の 1 つだと思います。ここの田んぼを全部任せてもらえるような人間になりたいですね。
そして熱意を持ってやりたい人がいれば歓迎します。
『八十八(はちはち)』 としても僕個人としても、大田市の農業を盛り上げていければと思っています」
と内田さん。
是非稼げる農業で、私たちに美味しい時間を提供していただければと思っています😊
内田農園について
住所:島根県大田市五十猛町2237甲12
TEL:080-1933-0426
E-Mail:neitianyangping51@gmail.com
内田洋平さん:Instagram
大田市米農家の集まり「八十八」:Instagram